物語
盲目の世界はとにかく怖かった。 どこにものがあるかわからないし、人がいるのかどうかもわからない。 すごく孤独に感じるし、もう一度目が見えるなら何をしてもかまわないと思った。 しかしそんな世界も日をこなせば慣れてくる。 音声式のパソコンを毎日聞…
がんになったおやじは65歳で死んだ。仕事は俺が社長になった。 まだ30代なので正直にが重いと思った。 葬式では、親戚がおやじの悪口をいっているのを聞いた。 その頃ぐらいから俺は人間ってなんやろという落胆感みたいなのがあった。 仕事は従業員と家…
会社では専務にまで昇進していた。 従業員からは冗談半分でなにもせんむと揶揄されていたが、内心は必至だった。 働くことだけでも必死だったが子どももさらに二人でき、時にはなんで四人も子どもがいるんだろうと重荷に思ったこともあった。 暴力をふるうこ…
おふくろが俺に見合いの話をもってきた。。 田舎の親戚の娘らしいがあまり興味はなかった。 あまりにしつこいので、お見合いの席にいった。 なんとなくいい感じの雰囲気になったので結婚することになった。 一目ぼれというよりかはまあいいかという感じだっ…
高校を卒業した俺は東京に出てきていた。 そびえ立つ大きなビルの数々。さっそうと歩く大勢の通行人。 そんな大都会にいると自分の存在がちっぽけなものに思えた。 さて、今日も寝床を探さなくては。 俳優を目指して東京に出た俺は、テキトーに女を作っては…
高校に入学した俺は学校内からのはみだしものだった。 友達とバイクを走らすのは日常だったし喧嘩にも明け暮れた。 どこに向けていいかわからないやるせなさを感じていた。 ある日他校の生徒に目をつけられて喧嘩になった。 待ち合わせ場所には相手が大勢い…